実習:ガンマ線スペクトルを見てみよう

  1. 元データのダウンロード
  2. ヒストグラムデータの作成
  3. ヒストグラムの作成
  4. 考察と発展

1. 元データのダウンロード

ここでは,ADC (Analog to Digital Converter)を用いたガンマ線スペクトルのヒストグラムをExcelを用いて作ります.まず,以下のデータファイル(.xls形式)をダウンロードしてください.

2. ヒストグラムデータの作成

以下の図はすべて60Coの場合の参考図ですが,137Csの場合でも基本的に同じです.

Excelの使い方に慣れている人は,自力でやってみてください.

  1. ダウンロードしたファイルを開きます.次のようなデータが並んでいると思います.これがADCで取得した10万個の生データです.
    original data
  2. 20万個のデータは0から4095までの範囲の整数です.セルD1に,"=MIN(A:B)",D2に "=MAX(A:B)"と書いてみましょう.それぞれ最小値0と最大値4095を返すはずです.(Excelは大文字小文字を区別しないので,どちらで書いても問題ありません.)
    min and max
  3. ヒストグラムのためのデータを作成します.そのためにまず,0から4095までの列を作ります.セルF1に"0"と書き,セルF1を選択した状態で「編集」→「フィル」→「連続データの作成...」を選択します.
    hist1
    さらに「範囲」を"列"を選び,「停止値」で"4095"と入力してOKを押します.
    hist1.5
    すると以下のように数列ができます.
    hist1.6
  4. 次にセルG1に"=COUNTIF(A:B,F1)"と書きます.COUNTIF()は条件に合うセルの個数を数える関数で,"=COUNTIF(A:D,F1)"は「A:Bの範囲のデータの中にG1と値が一致するものの数がいくつあるのか」を返します.G1を選択した状態で,G1のセルの右下にある小さな正方形をダブルクリックすることでその他のセルを埋めることができます.このとき若干時間がかかります. hist2
    これでヒストグラムデータが作成できました.

3. ヒストグラムの作成

ヒストグラムを作成します.「挿入」から「グラフ...」を選択します.グラフウィザードが立ち上がります.

  1. 「グラフの種類」で「散布図」を選択し,「形式」はマーカーのない折れ線を選択して,「次へ」をクリックします.
    hist3
  2. 「データ範囲」を,"='original data'!$F:$G"とします.「系列」は「列」を選択して,「次へ」をクリックします.
    hist4
  3. 「グラフ オプション」は適当に書いてください.この部分は後からでも調整できます.
    hist4
  4. 「グラフの作成場所」は「新しいシート」の方が良いでしょう. hist5
  5. できたグラフは軸の範囲などをお好みに調整して,完成です.
    hist6
    137Csの場合には,次のようなグラフになります. hist6

4. 考察と発展

できあがったヒストグラムには,シンチレーションカウンタで起こったさまざまな反応の跡を見ることができます.具体的には,

などの重ね合わせがヒストグラムになっています.
discussion1


Created: 2007-01-10; Updated: 2007-01-21; Copyright(c) 2007 Hideyuki OIDE, Yamashita Lab.